白いぼうし(場面4) 第7時  1997年6月
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1 女の子がいなくなったことに気づく松井さん                
2 「よかったね。」「よかったよ。」の声を聞く松井さん           


 学習範囲の確認させる。

指示  今日は,場面4を勉強します。                   
    場面4は,どこからどこまでですか。指で指しなさい。        
    指名します。〜さん。                       

  ◇ P60の7行目「お母さんが」というところから,P63の「夏みかんのにおい
   が残っています。」いうところまでです。
 場面3の題を確認し,ノ−トに書かせる。

説明  場面4では,乗っていたはずの「女の子がいなくなり」,やがて松井さん
   は,小さな野原で「よかったね。」「よかったよ。」の声を聞きますね。 
    黒板にその題を書きますから,先生と同じスピ−ドでノ−トに書いていき
   なさい。ノ−トの新しいペ−ジに書きます。              
  
  
  
  

場面4 女の子がいなくなったことに気づく松井さん         
   「よかったね。」「よかったよ。」の声を聞く松井さん     



 音読させる。

指示  では,ここを3回読んでもらいます。                
    1回目は立って,2回目は座って,3回目は黒板のところに来て読んでも
   らいます。                             
    それが終わった人は,何を聞かれてもいいように覚えるつもりで目で読ん
   でおきなさい。では,始め!                     

 松井さんの頭の中に浮かんできた男の子の顔亜を顔を想像させる。

発問  場面4の始まりで,松井さんは誰のことを考えていますか。      

  ◇ 男の子

説明  では,松井さんの頭の中にその男の子のどんな顔が浮かんできたのか,み
   なさんにも体験してもらおうと思います。               
指示  先生が今からそこのところを読みますので,みなさんは松井さんになった
   つもりで,そのときの男の子の顔を頭の中に思い浮かべなさい。     

指示 では,頭の中に浮かんできた男の子の顔をノ−トに書きなさい。     
   1ペ−ジを丸々使って書きなさい。ただし,胸から上を書きなさい。   
   後で,その絵のことを一人一人説明してもらいます。          

 * 「どんなに目を丸く」「ぽかっと口をOの字に」「おどろいただろうか。」に注目
  して書けていればいい。
 小さな野原に来ていたことを松井さんは最初から分かっていたかどうかを考えさせる

説明 その後,松井さんは女の子がいないことに気づきます。そして,「おかしい
  な。」と思うんですね。                        
発問 そのとき,松井さんは,どこにいたのですか。             

 ◇ 小さな団地の小さな野原

発問 さて,松井さんはこのとき,自分が小さな野原に来ていたということを,最
  初から気づいていましたか。それとも,気づいていませんでしたか。    
指示 ノ−トに「気づいていた」「気づいてはいなかった。」のどちらかを書きな
  さい。                                

  @ 30秒後挙手をし,人数を確認する。

指示 では,そう考えたわけを,同じ考えの人どうし集まって話し合いなさい。 
   教科書から,できるだけたくさん証拠を見つけてください。時間は2分。 

  《気づいていない派》
   ◇ 松井さんは,女の子がいなくなっていることが不思議で不思議で,そのことで
    頭の中がいっぱいだった。だから,野原に来ていることには気づいていなかった
    と思う。
   ◇ 「松井さんは車を止めて,考え考え,まどの外を見ました。」と書いてあって
,    「そこは,小さな団地の前の小さな野原でした。」と書いてある。
     そのときは,女の子がどこに行ったのか,どうしていなくなったのかを考え,
     それだけで頭の中がいっぱいだったから,外のことまで気づかなかったと思う
。   ◇ 〜さんに付け加えてだけど,「松井さんは車を止めて,考え考え」と書いて
あ    るから,最初頭の中は,女の子のことを考えるだけでいっぱいだったと思いま
す。    その後,「まどの外を見ました。そこは,小さな団地の前の小さな野原でし
た。」    と,その後,まどの外を見て,やっと野原に来ていることを気づいている
ような    書き方をしているから,最初は気づいていなかったと思います。
 「よかったね。」「よかったよ。」について考えさせる。

説明  しばらくすると,松井さんには,ある声が聞こえてきましたね。     
指示  その声を指で指しなさい。                      
指示  〜君,読んで見て。                         
   
   
   
   

「よかったね。」                         
 「よかったよ。」                        
                                 



    「よかったね。」                          
     「よかったよ。」                         
指示  この会話文を黒板に書いていきますから,1行おきにノ−トに写していきな
   さい。                                
説明  さて,この4行のことで,先生はいくつか質問しようと思っています。  
指示  例えば,どんな質問ができるかいくつか考え見て。           
指示  1つでもできた人は,起立しなさい。                 

 @ 前に出て問題を言わせる。
  ◇ 何が「よかったね。」なのですか。
    何が「よかったよ。」なのですか。
  ◇ 誰が「よかったね。」と言っているのですか。
    誰が「よかったよ。」と言っているのですか。
  ◇ 1行目の「よかったね。」と3行目の「よかったね。」は同じ人が言ったのです
   か。それとも違う人ですか。
    2行目の「よかったよ。」と4行目の「よかったよ。」は同じ人が言ったのです
   か。それとも違う人ですか。
  ◇ 2行目と4行目の「よかったよ。」は,どうして下がっているのか。

発問  それぞれ何が「よかったね。」のでしょう。何が「よかったよ。」なんでし
   ょう。                                
指示  意見のある人は,前に出て説明しなさい。               

 《「よかったね。」》
  ◇ 「男の子から逃げることができて,よかったね。」と仲間のちょうが言っている
  ◇ 「松井さんに助けてもらって,よかったね。」と言っている。
  ◇ 「仲間のちょうのいるところへ帰ることができて,よかったね。」と言っている
  ◇ 「小さな野原に戻ることができて,よかったね。」と言っている。
 《「よかったよ。」》
  ◇ 「みんながいるところに戻ることができて,よかったよ。」と男の子につかまっ
   たちょうが言っている。
  ◇ 「松井さんに助けてもらって,ここに帰ることができてよかったよ。」と言って
   いる。

発問  1行目と3行目の「よかったね。」は,それぞれ同じ人が言ったのでしょう
   か。また,2行目と4行目の「よかったよ。」は,それぞれ同じ人が言ったの
   でしょうか。                             
指示  手を挙げてもらいます。                       
    まず,「よかったね。」は,どちらも同じ人だと思う人?違う人だと思う人
   ?                                  

発問  違うと考えた人は,それぞれ誰だと思いますか。            
指示  前に出て説明しなさい。                       

指示  次,「よかったよ。」は,どちらも同じ人だと思う人?違う人だと思う人?

発問  違うと思った人は,それぞれ誰だと思ったのですか。          
指示  前に出て説明しなさい。                       

指示  今の意見を聞いて,反対意見がある人は前に出て自由に言いなさい。   

 そこは,小さな団地の前の小さな野原でした。                
 白いちょうが,二十も三十も,いえ,もっとたくさん飛んでいました。クロ−バ−
が青々と広がり,わた毛と黄色の花の交ざったたんぽぽが,点々のもようのようにな
ってさいています。その上を,おどるように飛んでいるちょうをぼんやり見ているう
ち,松井さんには,こんな声が聞こえてきました。               
「よかったね。」                              
 「よかったよ。」                             
「よかったね。」                              
 「よかったよ。」                             
 それは,シャン玉のはじけるような,小さな声でした。